カフェ エレファントマウンテン オーナー/デザイナー 岡田浩明
飲食店経営・デザイン関係の2つの仕事をしています。
飲食のメインはかき氷です。氷にはこだわっています。氷の中でも密度の高い「純氷」を使っており、かき氷を作る直前に氷の温度を-4℃まで上げるようにしています。こうすることで、くちどけが良く頭がキーンとならない美味しいかき氷ができます。お店にいらっしゃるお客さまから「来て良かったね」「美味しかったね」と笑顔になって帰っていただくことが仕事です。
デザインは、グラフィックデザイン、キャラクター作成、LINEスタンプ作成などをしています。前職の印刷業でデザインの仕事に携わっていた経験が生きています。退職して独立するにあたってポップを作っていたら、色んな方から「うちのデザインもお願いします」と頼まれ始めたことがきっかけです。10代の頃はデザイナーになるのが夢だったくらい好きな分野なので、楽しくやっています。
正直、元々は何でも良かったんです。漠然と将来は独立したいとは考えていましたが、これといってやりたいことはありませんでした。デザイン業で独立を考えたこともありましたが、厳しいだろうと感じていました。
ただ、当時勤めていた会社にずっといる選択だけはありませんでした。30代半ばの頃、会社の都合で部署異動があったり、仕事の進め方で衝突したりと、思うようにいかないことが増え、独立を現実的に考えるようになったのです。
その時に選択肢として挙がったのが「飲食店」でした。妻の実家がカフェバーを経営していたこともあり、馴染みのある業種だったからです。続けるのは難しいかもしれないけど、始めることは誰でもできると思い、2017年7月にお店を開きました。
お店をオープンしてすぐのころは大変なことが続きました。2019年の台風19号災害ではお店がある松代の被害が大きく、炊き出しの支援をしました。その結果、地元の方と密に繋がることができたのは不幸中の幸いかもしれません。被害に遭われた方に「お店に食べに来てください」とは言えませんでしたが、逆に「前売りチケットなど出してもらえませんか?」と言っていただくことがあり、それで助けていただきました。本当にありがたいことです。その翌年には新型コロナが流行・・・オープンしてから普通に経営できないことが当たり前になっていましたね。それでも地域の方々や協力してくださる方々のおかげでここまでやってこられています。お店のオープンから派生してデザインのお仕事もいただくようになり、色々なご縁で今があると感じています
「他人の目線になってものごとを考えること」を大切にしています。「自分がやりたい事」よりも、お客さまから「何を求められているか」を考えています。その中で生まれたものの一つがお店の中のキッズスペースです。子どもが生まれてしばらくしたある日、妻が「外の世界との関係が切られた」と呟いたんです。生まれたばかりで言葉を話すことができない赤ちゃんと二人きりの時間が多く、孤独を感じていたそうです。実際、他のお母さん方にも話を聞くと同じように感じている方が多く、「赤ちゃんがいても気軽に入れるお店を求めている方が多いのでは」と思い広々としたキッズスペースを用意しました。キッズスペースが無ければ、もっと席数を増やして売り上げを伸ばせるかもしれません。でもそうではないんです。外食するときは美味しい食事はもちろん、普段と違う空間でリフレッシュすることを求めたり、同じような立場の人とのコミュニケーションを求めることもあります。そうやって一歩踏み込んでお客さまに求められていることを考えるようにしています。
これはデザインの仕事においても同じです。デザインを依頼される方は「こういうデザインにしてほしい」とおっしゃることが多いです。もちろんそれも大切ですが、「そのデザインを誰が見て、見た人がどう感じるか」も大切です。「自分の好きなデザインではなく、あなたのお客さまが何を求めているかを大切にしてほしい」と常にお伝えしています。
6:30 起床
7:00 洗濯
7:45 子どもを送り出す・コーヒータイム
9:00 営業に向けて準備
11:00 開店
19:00 閉店
20:00 帰宅 子どもと一緒に遊ぶ
21:00 風呂・デザインの仕事・DIY
25:00 就寝
体と心を休めています。子どもが学校に行っている時間に妻と食事や映画に行ったりして、完全にオフになるように心がけています。独立した当初は休日も仕込みをしたりしていましたが、体が大変ですし、喧嘩も増えてダメでしたね。夫婦そろって頑張りすぎずに休むようにしています。
職人に憧れていたことがあったので、何かを極めていたかもしれません。焼き物や刀鍛冶なんかやってみたいですね。物を作るのが好きなので。サラリーマンではないと思います。
最近は映画を見ています。今見ているのは『男はつらいよ』です。初めに最終話を見たのですが、それが面白くて。最終話までの流れを知りたくて全シリーズを見返しているところです。寅さん記念館へ行ってみたいですね。
あと、ハリーポッターも好きです。豊島園にできた新しい施設にも行きたいです。好きになると深掘りする気質がありますね。
絵を描く仕事をしたいと思っていました。絵を描くことが好きだったので。
まず、「疲れた」と言わないことです。言っても解決しませんし、ネガティブな言葉を自分自身にかけているような感じが嫌なので。マイナスな言葉を出さないようにしています。
あとはゆっくり休むことですね。今は好きなことを仕事にしているので、サラリーマン時代のような仕事でのストレスがほとんどないのも大きいと思います。
漫画『ONE PIECE』に出てくるセリフで、「失った物ばかり数えるな!!!無いものは無い!!!お前にまだ残っているものは何だ!!!」です。これまでに色んな出会いや別れを経験してきました。サラリーマンの頃と価値観も変わり、疎遠になった方もいます。でも今は今で大切なものが沢山あります。今来てくださるお客さまや一緒に働いている従業員、今の自分に残されているものや人とのご縁を大切にしています。
長野市出身。
高校卒業後、音楽の道を目指す傍らフリーで様々な職種を経験。印刷業界に就職するも価値観の違いに疑問を感じ、独立。2017年7月に「カフェ エレファントマウンテン」を開業。本業のほかデザイン業も手掛ける。