正直、元々は何でも良かったんです。漠然と将来は独立したいとは考えていましたが、これといってやりたいことはありませんでした。デザイン業で独立を考えたこともありましたが、厳しいだろうと感じていました。
ただ、当時勤めていた会社にずっといる選択だけはありませんでした。30代半ばの頃、会社の都合で部署異動があったり、仕事の進め方で衝突したりと、思うようにいかないことが増え、独立を現実的に考えるようになったのです。
その時に選択肢として挙がったのが「飲食店」でした。妻の実家がカフェバーを経営していたこともあり、馴染みのある業種だったからです。続けるのは難しいかもしれないけど、始めることは誰でもできると思い、2017年7月にお店を開きました。
お店をオープンしてすぐのころは大変なことが続きました。2019年の台風19号災害ではお店がある松代の被害が大きく、炊き出しの支援をしました。その結果、地元の方と密に繋がることができたのは不幸中の幸いかもしれません。被害に遭われた方に「お店に食べに来てください」とは言えませんでしたが、逆に「前売りチケットなど出してもらえませんか?」と言っていただくことがあり、それで助けていただきました。本当にありがたいことです。その翌年には新型コロナが流行・・・オープンしてから普通に経営できないことが当たり前になっていましたね。それでも地域の方々や協力してくださる方々のおかげでここまでやってこられています。お店のオープンから派生してデザインのお仕事もいただくようになり、色々なご縁で今があると感じています