「美味しい」の一言を求め、カットに向き合う

株式会社大国屋 石井 真佳

大国屋 石井真佳

Q. どんなお仕事をされていますか?

大国屋は精肉卸店ですが、そこでお肉を切る仕事をしています。チルド・冷凍、牛・豚・鶏など関係なくカットすることが仕事です。
同じ牛肉・同じ部位でも、お客様が求める切り方は異なります。例えば「このお客様がすき焼き用に買われるときはこの厚さ」などです。お客様に合わせたオーダーメイドのカットを行ううえ、触りながらカットの厚さを見ることもあるので、簡単にカットを誰かに代わってもらうことができません。こういった感覚的な部分やお客様ごとの細かな部分は引き継ぎが難しいのですが、それでも後輩に伝えていくことも考えなければいけません。後輩たちにしっかり引き継いでいくこともこれから大切な仕事になると思っています。

また、機械のメンテナンスも担当しています。
もともと食品機械のメーカーに勤めていたこともあり、機械の調整は対応できるのです。機械のメンテナンスもできるスライサー(お肉を切る人)はあまりいないのではないでしょうか。切る側の視点もメンテナンス側の視点も理解しているので、どうやったらきれいに切れるのか、切りやすくなるポイントなどを把握して改善できる点は自分の強みだと思います。

お客様の求めるカットを提供し、大国屋のファンを支えている仕事をやっていると思っています。

Q. なぜこのお仕事を選んだのですか?

社長の山本に声をかけてもらったことがきっかけで入社しました。

食品機械の営業をしていた前職の頃、大国屋で扱っている機械の調整に入った時に、山本から「どう思う?」とカットした肉を見せられました。その時に「角が立っていいですね」と答えたところ、「目の付け所が良いね」と言われたことが入社のきっかけでしたね。あの時機械の調整に入らなかったら、大国屋には入社していなかったと思います。

入社を決めた時に山本から「やっと腰を上げてくれたね」と言われたことは、今でもよく覚えています。

Q.仕事をするうえで大切にしていることは?

口に入れたときに「美味しいね」とお客様が喜ぶ姿を考えて日々仕事をしています。
口にしたときや調理するときに「こんなはずじゃなかった」と言われるのは怖いですし、言われたらとても悔しい。そうではなく、なのでカットして「これはたぶん納得しないな」と思えば、お客様に出さないこともあります。

お客様から「良いカットをしているね。この次もお願いね」という声をかけていただける時はとても嬉しいですね。

Q.1日のルーティンを教えてください

8:00 出社:注文を確認し、原料をチェックします
8:20 切り出しスタート:チルドのスライスが主体です
12:00 昼休憩
16:00 切り上がり
17:00 機械のメンテナンス:状態によって30分~1時間程度かけてメンテナンスします
17:30 終業

一問一答

・休日の過ごし方は?

カメラが好きなので、休日はカメラをもって出かけます。見る角度によって表情が異なる山を撮影することが多いですね。長野は山が充実しているので撮影が楽しいです。仏像も好きなので、鎌倉や京都・奈良に仲間内で出かけることもあります。
写真は本当に好きで、県展に応募することもあります。将来個展を開くことが夢です。

・今の仕事をしていなかったら何をしている?

理科の実験などが大好きだったので、科学に関する仕事をしたかったなと思います。最も長く務めた仕事は理化学機器の販売でした。電子系の光学顕微鏡などをメインに販売していましたね。

・今欲しいもの/マイブームは?

今、「平家物語」の人形劇にはまっています。NHKで深夜に放送していて、夜中に起きてみているのですが最初から見たいと思っていまして。なので「平家物語」のDVDボックスが欲しいです。

・子どもの頃の夢は?

SL機関士になりたかったです。祖父が国鉄の職員でよくSLを見に行っていたのもあり、憧れていました。

・疲れた時のリフレッシュ方法は?

カメラに触れることです。外に出なくても、カメラに触れるだけでリフレッシュになります。あとはお酒ですね。学生の頃からスコッチウイスキーを飲んでいます。ナッツ系のおつまみと一緒にウイスキーを飲みながら、カメラを触る。これが一番です。

・座右の銘は?

「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かず」
30代の頃に聞いて、自分がしたいこと・させたいことなのでとても腹落ちしました。

プロフィール

長野市出身。卒業した研究所の分析員を務めたのち、長野に戻るために転職。食品機械の営業を経て精肉卸店の大国屋に入り、肉のカットや機械のメンテナンスを長く担当している。

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